糖尿病科
糖尿病とは?
糖尿病は血糖値を下げるインスリンというホルモンの作用が低下し、血糖値が高くなる病気です。高血糖が続くと腎臓、眼、神経、血管などに合併症が出てきます。これらの合併症が起きないように、早くから日常生活を改善し、食事療法や運動療法を行う必要があります。それでも血糖値がうまくコントロールできない場合には、血糖を下げる薬を飲んだり、インスリンを注射したりすることになります。血糖値が高いと言われたら放置せずに受診してください。
糖尿病の治療
治療は、「一に食事、二に運動、三、四がなくて五に薬」と言われ、まず食事療法が重要です。カロリー制限により、肥満を改善し、インスリンの効きをよくします。ゆるやかな糖質制限を併用する場合もあります。
«食事療法の基本»
- 1.腹八分目とする。
- 2.食品の種類はできるだけ多くする。
- 3.脂肪は控えめに。
- 4.食物繊維を多く含む食品(野菜、海藻、きのこなど)をとる。
- 5.一日三食(朝食、昼食、夕食を規則正しく)
- 6.ゆっくりよくかんで食べる。
«運動療法»
1日30分のウォーキングから開始してみましょう。できるだけ毎日少しでも行います。少なくとも週に3日以上は実施し、週に150分以上の運動が必要です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を継続することで、インスリンの感受性が増します。
筋トレなどのレジスタンス運動は、筋肉量を増やし、筋力を増強する効果が期待されます。運動は、日常生活のなかに組み入れて、好きな運動を楽しんで行うことが大切です。
糖尿病Q&A
- 糖尿病の自覚症状にはどのような症状がありますか?
- 喉の渇きや体のだるさ、手足のしびれ、体重減少などがありますが自覚症状がないまま進行することも多いです。自覚症状が無くとも検診で尿糖や高血糖を指摘された場合は専門医を受診されることをお勧めします。
- 太っていなければ糖尿病の心配はありませんか?
- 日本人では欧米人の糖尿病と異なり、やせていても糖尿病の方が多くいます。40歳を過ぎると糖尿病の発症率が急激に高くなりますので注意が必要です。他にも親・兄弟に糖尿病の方がいたり、妊娠中に尿糖を指摘された方は注意が必要です。
- 糖尿病の食事ではどのようなことに気をつければ良いでしょうか?
- 炭水化物は血糖を上昇させるので注意が必要です。同じ炭水化物でも白米、パン、うどんといった白い糖質よりも玄米ご飯やライ麦パンのように食物繊維が豊富なものがお勧めです。また脂質を多く摂取すると今度はコレステロールが高くなり動脈硬化の原因になるので注意が必要です。
- 糖尿病の検査にはどのような検査がありますか?
- 血液検査と尿検査が糖尿病かどうか知る上で重要な検査です。血液検査では血糖値とHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)の値が特に重要です。当院ではHbA1cの迅速測定機を導入し2分30秒で結果を知ることができます。尿検査では特に蛋白尿の有無が重要で、腎症の進行度を推測することができます。
- 糖尿病の合併症にはどのような病気がありますか?
- 代表的な合併症は神経障害、網膜症、腎症があります。これらは糖尿病に特有の合併症で3大合併症と呼ばれています。他にも脳血管障害や心筋梗塞・狭心症など糖尿病には多くの血管合併症があります。
- 糖尿病になるとすぐに合併症が出現するのでしょうか?
- 合併症が出現するまでの時間は糖尿病を発症してからの期間や血糖コントロールの状況に大きく左右されます。個人差が大きいので一概には言えないのですが、一般的には良好な血糖コントロール(HbA1c7%未満)を保つことが合併症の進行を防ぐ上で重要と考えられています。